2020年4月以降、特に5月から、Googleのプロダクト関連の情報配信がかなり活溌に行われています。
プロダクトの情報配信が多くなっている一つの理由は、毎年、5月中頃に開催されるGoogle IOでの発表を前提にした製品や技術の開発計画が行われていたため、イベントがキャンセルになっても、開発自体はキャンセルされたわけではないものが多いためと考えられます。
しかし、新しい製品や技術の発表だけではなく、ユーザーに向けた情報配信も5月以降、活発化しています。
例えば、Google WebmastersのYouTubeチャンネルは、ざっとチャンネルを見て数えただけでも、5月に14のビデオを投稿しています。John Muellerさんは、以前は大まかなところで隔週でライブでユーザー参加型の質疑応答を行うWebmaster office-hours(オフィスアワー)を行っていましたが、5月はほぼ毎週、office-hoursを行っています。
John Muellerさんと同じ部署のMartin Splittさんも4月から新たにJavaScript SEO office-hoursを開始し、基本的に毎週行う予定と語っています。5月に入ってからは、実際に毎週、office-hoursを行っています。
Webmastersのチームは、昨年まで人を集める形で行われていたWebmaster Conferenceの代わりに、今年はオンラインで、4人のメンバーがそれぞれの担当分野についてのショートビデオで説明を行うウェブマスターカンファレンスライトニングトークと題したビデオシリーズを4月に発表し、年内一杯続ける計画であることを明らかにしています。
ウェブマスターの公式アカウントが投稿するビデオは、4月以降かなり増えています。ビデオの投稿を活溌に行っていることに加えて、ウェブマスターのチームメンバーのJohn Meullerさん、Gary Illyesさんの3人がGoogle 検索に関連する舞台裏の話などをするポッドキャストシリーズの立ち上げも発表しています。
発表されたウェブマスターポッドキャストシリーズは、GoogleではなくLbsynと言うサードパーティのポッドキャストプラットフォームを使用しています。
これまでのGoogleのビデオは、office-hoursを除いて施設の整ったスタジオで録画され、編集も凝っていて仕上がりも素晴らしい洗練されたものばかりでしたが、3月以降は、自宅から撮影したシンプルな構成のビデオが多くなっています。
2020年3月以降、Google、Twitter、Facebookを始めとする多くのテクノロジー企業は、ほぼ全社員が自宅から勤務する形態になっています。2020年3月以降に投稿されるビデオの多くは、凝った装飾や編集ではなく、自宅で撮影したものが中心で、シンプルでカジュアルな感じの手作り感があるものが多いです。
ビデオの作成に多くの人の手がかからない形式であるため、手軽に作成して投稿できることも、ビデオの投稿が増えていることの一つの理由と推測しています。
これまでであれば、人の集まる大きなイベントの準備や移動、参加などに費やしていた多くの社員の労力や時間をオンラインで提供することにしたことによって、情報提供の量が大幅に増えている背景としてあると思います。
Google ウェブマスターのチームを例に挙げましたが、他のGoogleプロダクトでも同様の傾向が見られます。
Googleからのオンラインのアウトプットが大幅に増加していることは、情報を受け取る側の立場にとっては、インプットが大幅に増えていることを意味します。
役立つ情報のインプットが増えることはとても良いことですが、アウトプットも出す必要があるので、バランスを取るのも難しいところもあります。
次回は、インプットの急増などの直面している私の5月以降の状況と対処、今後の計画などについて投稿する予定です。